HOME
更新情報
研究資料
業績一覧
リンク
文献案内

文献案内

梵語の辞典, コンコーダンス,事典


梵語→ドイツ語辞典

  1.Otto Böhtlingk & Rudolph Roth編,Sanskrit-Wörterbuch, St Petersburg, 1855-1875, 7巻本
   世界最大の梵語辞典。以前は非常に高価であり,購入には多大の決意が必要だったが,インドから復刊されてようやく身近になった。初心者には薦められないが,専門的に研究する場合には必携。7冊は持ち運べないので,デジタル化が強く望まれる。

  2.Otto Böhtlingk編, Sanskrit-Wörterbuch in kürzerer Fassung, St Petersburg, 1879-1884,3巻本
   1から用例を削除して,使いやすくしたもの。臨川書店から1冊本として復刊された。

  3.Klaus Mylius編,Wörterbuch Sanskrit-Deutsch, Leipzig, 1991
   583ページのコンパクトな辞典。著者は旧東ドイツの著名な梵語学者。ヴェーダを気軽に読むには便利。

  4.Hermann Grassmann編, Wörterbuch zum Rig-Veda, Wiesbaden
   リグ・ヴェーダ専門の唯一にして最高の辞典。著者はグラスマン代数等で知られる数学者であったが,40歳の時に「気晴らしのために」サンスクリットを始め,53歳の時に数学に興味を失った。以降,この辞典とリグ・ヴェーダの翻訳に取り組んだ。その他にも,ドイツ語の学生用テキストや植物の名前に関する本も執筆するなど彼の興味はとどまることをしらなかったという。最近,インドからも復刊された。


梵語→英語辞典

  5.Sir Monier Monier-Williams, A Sanskrit-English Dictionary, Oxford, 1899
   世界中で最も使われている辞典。ヴェーダに関しては1と4に全面的に依拠しているので,ドイツの学者はほとんど使わない。とはいえ,一応は仏教関係の語彙まで収録しているから,メジャーな文献ならこれ一冊で読むことができよう。一昔前のインド版はどでかくて使えたものではなかったが,最近は紙質もだいぶ向上して薄くなった。ちなみに著者はイギリス人なのになぜ日本で「モニエル」と呼ばれるのかは,南条文雄がそう呼んだことに由来すると思われる。

  6.Vaman Shivaram Apte, The Practical Sanskrit-English Dictionary, Revised & Enlarged Edition, Poona, 1957-1959, 3巻本
   34歳で夭折した天才的梵語学者による辞典。古典文学を読む場合には5よりも便利。インドの梵語学者の中には,この辞典の中身をほぼ記憶している人がいるという。臨川書店から1冊本として復刊された。インドでも復刊されている。

  7.Sûryakânta, A Practical Vedic Dictionary, 1981, Oxford University Press(Bombay)
   ヴェーダを読むための辞典。欧米の学者はあまり引用しないが,中村元が「インド人の理解を示すものとして重要」というように,独自の解釈を示しているので,ときに重宝する。買えるうちに買っておきたい一冊。

  8.Franklin Edgerton, Buddhist Hybrid Sanskrit Grammar and Dictionary, 2vols, 1953
   いわゆる仏教梵語の辞書と文法。内容を完全に信用することはできないにせよ,言語学的に研究する場合の出発点となる書。

  9. Carl Cappeller, A Sanskrit-English Dictionary, Strassburg, 1881(Varanasi, 1972).
    672ページのコンパクトな辞典。単語を暗記する際に用いると便利と言われるが,私はこれを全部暗記する気にはなれなかった。

  10. Arthur Anthony Macdonell, A Practical Sanskrit Dictionary, Oxford, 1924.
    382ページながら,ほぼA4の版型。初心者にはMonierより使いやすいと思うが,私はこれのローマナイズがどうもなじめなかった。

  11. Theodore Benfey, A Sanskrit-English Dictionary, 1866.
    天才的梵語学者Benfeyによるコンパクトな辞典。Monierが出る前は重宝したものと思われる。

  12. Sûryakânta, Sanskrit-Hindi-English Dictionary, Delhi, 1975.
    普通の日本人にはいらないかもしれないが,ヒンディー語から入った人には便利であろう。1600円という値段につられて思わず買ってしまったが,なかなか内容もいいかも。


梵語→フランス語辞典

  1.N. Stchoupak & L. Nitti & L. Renou, Dictionnaire Sanskrit-Français, Paris, 1932
   比較的手頃な大きさ(897ページ)の辞典。古典文学を読む場合にはいいと言われるが,私はほとんど使わない。


梵語→チベット語(,漢語)辞典

  1.『翻訳名義大集(マハーヴィユトパッティ Mahâvyutpatti)』
   9世紀ごろに仏典を翻訳するためにチベット人がまとめたとされる梵語の語彙集。漢訳とモンゴル語訳が後に加えられた。荻原雲来によるものと榊亮三郎によるものがあるが,荻原本にはチベット語がない。(財)東洋文庫から出版された版もあるが,現在改訂中と聞く。

  2.安世興編著,『梵蔵漢對照詞典』,北京,1991
   梵語からチベット語を検索するための辞典。梵語もチベット文字で表記されている。


梵語→日本語辞典

  1.荻原雲来編,『(漢訳対照)梵和大辞典』,講談社
   唯一の学術的梵和辞典。仏典を読む人は必携。ただし,それ以外の語義はMacdonellの辞典から採っており,意味の説明も仏教語に偏っているので,梵語初心者はなるべく使わないほうがよい。ApteやMonierに載せられた意味をふまえた上で使えば有益であろう。


英語→梵語辞典

  1.Sir Monier Monier-Williams, A English-Sanskrit Dictionary, 1851
   最大の英語→梵語辞典(859ページ)。

  2.Vaman Shivaram Apte, The Student's English-Sanskrit Dictionary, Poona, 1884
   手軽に使える英語→梵語辞典(501ページ)。


チベット語→梵語辞典

  1.Lokesh Chandra, Tibetan-Sanskrit Dictionary, New Delhi, 1959-1961,3巻本
   仏教研究者は必携。臨川書店から1冊本として復刊されている。


語源辞典

  1.Manfred Mayrhofer, Kurzgefasstes etymologisches Wörterbuch des Altindischen (A Concise Etymological Sanskrit Dictionary), Heidelberg, 1956-80, 本文3巻,索引1巻
   唯一の語源辞典として有用なもの。サイズはコンパクト(19x12cm)だが,ページ数は2000ページを超える。結構な値がついているのが惜しまれる。意味だけは英語も併記されている。

  2.Manfred Mayrhofer, Etymologisches Wörterbuch des Altindoarischen, Heidelberg, 1992-
   上記の著者が新たな方針のもとに作っている辞典。全体を古語(älteren Sprache)と新語(jüngere Sprache)に分けて記述している。古語ではヴェーダに現れる語彙を扱う。古語の部分は2巻(1600ページ強)として完成した。


コンコーダンス

  1.Rgvedic Word Concordance, Alexander Lubotsky, 2vols, American Oriental Society, 1997.
   ある語形が含まれる詩節が一覧できるリグ・ヴェーダのコンコーダンス。単語の研究をする場合,これを使うと大幅に時間の短縮になる。

  2.Vaidika-Padanukrama-kosa (A Vedic Word-Concordance), 16vols, Hoshiarpur.
   ヴェーダに現れる全ての単語を網羅した索引。もちろんこれだけあってもテクストがなければ意味がないが,これを超える索引は当分現れないと思われる。部屋にカラーボックス一台分のスペースがあればぜひ買っておきたい。

  3.A Vedic Word Concordance, Maurice Bloomfield, 1906
   ヴェーダに現れるマントラのコンコーダンス。マントラの変遷,用法を研究する際には重宝する。

事 典

  1.Vedic Index of Names and Subjects, A.A. Macdonell & A. B. Keith, 2vols, London, 1912
   ヴェーダに現れる歴史的データ,すなわち固有名詞(人名・地名・川名)と諸概念(「王(râjan-)」,「村(grâma-)」,「車(ratha-)」等)を解説した事典。それほど詳しくはないが,類書がないので貴重。

  2.A Classical Dictionary of India, John Garrett, 1871, 717page.
   主に古典文学に関する事典。叙事詩・プラーナ等の神話の引用は多く,インド人の常識を知るには便利か。

  3.A Classical Dictionary of Hindu Mythology and Religion : Geography , History and Literature, John Dowson
   上記Garrettと同類の事典(量的には3分の2位)。
*
Copyright (C) KOUDA Ryoshu
@Bon kara sekai e.
All Rights Reserved.